生イキくんのパックを手に持つ様子
HIROKYU STORIES — VOL. 03

その名前に、私たちの願いを。

生イキくん誕生秘話。
凍らないオキアミへの挑戦と、
名前に込めた思い。

南極の海から、あなたの釣り場へ。 / 第3話

物語をたどる↓

「生イキくん」って、
どうしてこの名前?

釣具店の冷凍庫で見掛ける、赤い文字の「生イキくん」。

パックを開け、一尾を選んでハリに刺す。皆さんの釣りの中に、そんな場面があれば、私たちにとってうれしいことです。

でも、この少し親しみのある名前や、パッケージに並ぶギザギザ模様には、どんな由来があるのでしょうか。

第1話では、南極海の漁と船上生活を。第2話では、オキアミが釣り餌になるまでの製造現場をご紹介しました。

今回は、そこからもう一歩、商品開発の物語へ。

もっと使いやすい餌を届けたい。その思いから生まれた「生イキくん」の歩みを、私たちヒロキューがお伝えします。

パックを開けた生イキくん。今回は、この商品の開発と名前の物語です。
文・写真:ヒロキュー商品開発と名前の物語
THE BIRTH OF NAMAIKIKUN

一パックに込めた、
三つの物語。

  1. 01 / 開発使いやすさへの挑戦凍らない、その先へ
  2. 02 / 名前願いを託す約20の候補から
  3. 03 / 釣り場工夫を重ねるあなたの一投へ
この記事の目次
  1. 解凍を待たない餌へ
  2. 一尾の中へ
  3. 最初の試作は緑色
  4. 名前と模様の秘密
  5. 広がるヒロキュー
  6. 使いやすさを考える
01 / A NEW POSSIBILITY

解凍を待たずに使える。
その可能性から。

生イキくんの開発が始まる頃、私たちは冷凍のブロック餌を販売していました。

そんな釣り餌の世界に登場したのが、解凍せずに使える、不凍タイプのオキアミです。

冷凍庫で保管していても、使うときに解凍を待たなくてよい。釣り人にとっての使いやすさに、新しい可能性が見えてきた時代でした。

同じ頃、当時の開発担当だった三浦は、韓国の業者から食品用の出汁に漬けたオキアミを見せてもらいます。

オキアミに加工を加えることで、これまでとは違うものが生まれる。その発想も、新しい釣り餌を考えるきっかけになりました。

私たちが目指したのは、凍りにくさと、釣り場での扱いやすさを両立したオキアミです。

ハリに刺しやすく、形を保ち、手に取ったときの見た目もよい。そうした一尾を、どうすればつくれるのか。

試行錯誤が始まりました。

STORY IN PICTURES

目指したのは、釣り場での使いやすさ。

これまで

冷凍のブロック餌

解凍して使う餌から

開発の目標

解凍を待たずに使える餌

凍りにくさと、扱いやすさへ

オキアミの体長は約4〜6cmを目安に、手やハリとの比率を描いています。 開発の出発点を表したイメージ図です。
02 / A DIFFERENT APPROACH

液に浸すところから、
一尾の中へ。

開発当時、私たちが向き合った課題の一つが、液に漬けたオキアミの「液ぶくれ」でした。

身と皮の間が膨らみ、皮が剥がれてしまう。液の扱いも含め、釣り場で使いやすい形にするには、考えるべきことがありました。

凍らないだけで、完成ではありません。

そこで生まれたのが、オキアミを液に浸した状態にしておくのではなく、凍りにくくする成分をオキアミそのものに浸透させる、という考え方です。

一尾の中に働きかけることで、液ぶくれを抑えながら、解凍を待たずに使える餌にできないか。

目指す方向は見えてきました。

けれど、どんな成分を、どのように使えばよいのか。答えを見つけるには、さらに研究が必要でした。

STORY IN PICTURES

「液に浸す」から、「一尾に浸透させる」へ。

向き合った課題

液に漬けた状態

液ぶくれや皮の剥がれを、どう抑えるか。

新しい発想

オキアミそのものへ

拡大イメージ/体長の目安 約4〜6cm

凍りにくくする成分を、一尾の中へ浸透させる。

右の一尾は拡大イメージです(実物大ではありません)。体長は約4〜6cmを目安としています。 発想の違いを示す模式図です。実際の構造・配合・製造工程を再現したものではありません。
03 / TRIAL & DISCOVERY

最初の試作は、
緑色だった。

開発の手掛かりは、意外なところにありました。

自動車のラジエーターに使われる、工業用の不凍液です。

低い温度でも凍らない液がある。その性質に着目し、開発段階で試してみると、オキアミが凍らないことは確かめられました。

ところが、目の前にできたのは、緑色に染まったオキアミでした。

いつものオキアミとは、まるで違う見た目。凍らないという一つの条件を満たしても、そのまま商品になるわけではありません。

そこで、使われている成分をさらに調べていきました。

研究を進める中で、食品用にも同じ成分のものがあると分かります。この発見が、開発を前へ進める転機になりました。

これは、製品が完成する前の試行錯誤のお話です。工業用の液をそのまま商品に使うのではなく、食品用の成分を手掛かりに、釣り餌としての製法を追求していきました。

開発に取り組み始めてから、数か月。

オキアミの中に成分を浸透させ、液ぶくれを抑えながら、解凍せずに使える不凍タイプのオキアミが完成しました。

後に「生イキくん」と名付けられる、私たちの新しい釣り餌です。

STORY IN PICTURES

試して、調べて、商品へ。

01 / 試作段階

緑色のオキアミ

凍らない性質を確かめる。

02 / 研究

食品用の成分へ

調べる中で、開発の手掛かりを得る。

03 / 完成

釣り餌として形に

成分を浸透させる製法を追求。

円内は拡大イメージです。容器内のオキアミは体長約4〜6cmを目安に描いています。 開発の流れを表したイメージイラストです。人物・設備は当時の記録を再現したものではありません。工業用の液をそのまま製品に使うという意味ではありません。
04 / THE NAME & THE DESIGN

約20の候補から選んだ
「生イキくん」。

商品ができたら、次は名前です。

候補は、約20ありました。その中から、当時のスタッフの意見によって選ばれたのが「生イキくん」でした。

名前に込めたかったのは、「生で売りたい」「新鮮である」「イキが良い」という思いです。

どんな餌なのかが伝わり、覚えてもらいやすく、親しみを持って呼んでもらえる。その願いを、この名前に託しました。

THREE WISHES, ONE NAME
生で売りたい新鮮であるイキが良い
生イキくんのロゴ

そして、もう一つ。

パッケージのギザギザ模様にも、由来があります。

モチーフになったのは、新選組の羽織の裾。

「新鮮」と「新選組」を掛け合わせ、新選組の羽織をイメージした模様を取り入れました。

THE DESIGN STORY

「新鮮」と「新選組」を、模様でつなぐ。

裾に白いギザギザ模様が入った羽織を着る新選組のイメージイラスト

新選組の羽織

モチーフは、裾のギザギザ模様。

白いギザギザ模様を取り入れた生イキくんのパッケージ

生イキくんのパッケージ

新鮮なイメージを、いつもの一パックへ。

新選組のイメージイラストと商品写真。羽織の裾をイメージした模様を、パッケージに取り入れました。

釣具店で見掛けるあの模様は、単なる飾りではありません。名前と同じように、餌の新鮮なイメージを伝えるための工夫だったのです。

次にパックを手にしたときは、赤い文字の下に並ぶギザギザにも、少し目を向けてみてください。

05 / BEYOND ONE PRODUCT

一つの商品が、
ヒロキューの歩みを広げた。

完成した生イキくんは、私たちが開いた品見会でお披露目しました。

全国から集まった関係者の方々に商品を見ていただき、そのつながりを通じて、各地へと広がっていきます。ラジオなどのメディアでも、名前と特徴をお伝えしていきました。

開発の現場で形になった一パックが、販売店へ。そして、釣り人の手元へ。

私たちの工夫が、本当に釣り場で役立つのか。それが問われるのは、商品を送り出した先です。

生イキくんの誕生は、ヒロキューブランドの歩みを広げるきっかけにもなりました。そこから、さまざまな商品づくりへとつながっていきます。

一つの釣り餌をつくる挑戦は、私たち自身の次の仕事も生み出していったのです。

STORY IN PICTURES

一パックが、釣り人の手元へ。

お披露目

品見会

全国から集まった関係者へ。

各地へ

販売店

つながりを通じて、商品を届ける。

その先へ

釣り場

皆さんの一投に、役立つ餌へ。

人物・場所は説明用のイメージです。ラジオなどのメディアでも、名前と特徴を伝えていきました。
06 / FOR YOUR NEXT CAST

使いやすさを、
考え続ける。

生イキくんが生まれてからも、私たちの商品づくりは続きます。

たとえば、「生イキくん for PRO」。

不凍タイプの餌としての成分や製法を見直し、従来品とは異なるアプローチで、身の柔らかさと餌持ちを追求した商品です。

身の柔らかさと餌持ちを追求した、生イキくん for PRO。

ハリに刺すときの感触。仕掛けを投入したときの残り方。魚にくわえさせたいときの柔らかさ。

釣り餌の使い心地には、一つの物差しだけでは決められないところがあります。釣り方や狙う魚、使う人によっても、求めるものは変わります。

だからこそ、私たちは一尾の状態を見つめ、加工の仕方を考え、工夫を重ねていきます。

南極海でオキアミを獲る人がいる。
船で加工し、日本へ運ぶ人がいる。
工場で選び、整え、包む人がいる。
そして、もっと使いやすくできないかと考える人がいる。

その仕事の先にあるのが、皆さんがハリに刺す一尾です。

「生イキくん」という名前に込めた、新鮮さを届けたいという思い。

その思いを、これからも釣り場での使いやすさにつなげていきたいと、私たちは考えています。

いつもの一尾に、工夫を重ねて。
あなたの次の一投へ。

釣りエサのヒロキュー