南極海から届いた原料を、
私たちの工場へ。
前回お伝えしたのは、南極海でオキアミを獲り、船上で加工・冷凍し、日本へ送り出すまでの仕事でした。そのバトンを受け取るのが、私たちの国内の製造現場です。
日本に届いたオキアミは、冷凍庫で保管します。工場で出番を待つ間も、原料の状態を保つことが大切です。箱に収められたオキアミは、製造する商品に合わせて加工の工程へ進みます。
冷凍庫も、
釣り餌づくりの現場。
加工している時間だけが、私たちの仕事ではありません。必要な原料を保管し、製造へ送り出し、完成した製品を再び冷凍保管する。その前後の仕事も含めて、一つの釣り餌を届けています。
大きな塊を、
釣行で使いやすいサイズに。
釣具店の冷凍庫に並ぶ、四角いオキアミのブロック。見慣れた形ですが、南極海からその大きさで届くわけではありません。もとは「原反」と呼ばれる、大きな冷凍の塊です。
ブロックの商品をつくる工程では、この原反を機械のレーンに載せ、丸ノコで切り分けます。つくる商品のサイズに合わせて刃を替え、冷凍されたオキアミをカットしていきます。
切り分けたブロックは、素早く袋に入れ、箱に詰めて冷凍庫へ戻します。切る、包む、収める。作業を次へつないでいくことで、釣行に持ち出しやすい一枚になります。
バッカンに入れ、配合エサと混ぜてマキエにする。そこからサシエを取る。釣り場での使い方を支える、身近なブロックの形にも、工場でのひと手間があります。
一尾ずつ見る。
サシエを選ぶ目で。
一方、パックに入った加工オキアミは、別の工程をたどります。解凍した原料を添加材に漬け込むなど、加工を行ってから選別へ。ブロックを切り分ける工程とは違い、一尾一尾の状態を見ていく仕事になります。
皆さんもサシエを選ぶとき、大きさや形を確かめるのではないでしょうか。ハリに合わせて粒を探したり、崩れたものを避けたり。指先で一尾を選ぶその視点は、私たちの製造現場にもつながっています。
レーンを流れるオキアミから、サイズが合わないもの、つぶれたり、ちぎれたりしたものを、手作業で取り除いていきます。たくさんの粒を扱っていても、確認する相手は一尾ずつです。
小さな違いを、
見過ごさないために。
大きさがそろい、形が整っていること。それは、釣り場で一尾をつまむときの選びやすさにつながります。目の前の粒の先に、皆さんのハリ先を思い浮かべながら進める工程です。
パックを開けたときの、
使いやすさまで。
選別を終えたオキアミは、パック詰めへ進みます。容器に入れば、それで完成というわけではありません。重量を確かめ、トレーの中で粒が偏らないように、ならしていきます。
パックを開けて、使いたい一尾を選ぶ。その動作が自然にできるように、容器の中の状態も整える。釣り場では目立たないところですが、ここも私たちが手をかける部分です。
一尾を選びやすいことも、
釣り餌の使いやすさ。
海で獲れたオキアミの良さを、日々の釣りで使いやすい形へ。選別とパック詰めは、その二つをつなぐ工程です。
包装の、その先まで。
ひと手間を重ねて届ける。
トレーの中を整えたら、パッケージを閉じて箱詰めへ。売り場で見慣れた商品名やデザインも、工場ではロール状のフィルムとして出番を待っています。
いつものパッケージが、
できるまで。
中身を整える仕事と、包む仕事。どちらもそろって、ようやく一つの商品になります。見慣れた一パックの内側にも、いくつもの工程が続いています。
箱に詰めるときにも、工夫があります。取材時のパック詰めの現場では、フタを下にして積んでいました。向きを戻したとき、フタの裏に水滴がつかないようにするためのひと手間です。
完成した商品は冷凍保管し、冷凍車で販売店へ送り出します。加工して終わりではなく、皆さんが手に取るまでの品質をつなぐ。そのために、最後の工程まで仕事を重ねています。
その一投を、
工場から支えたい。
大きな原反を切り分ける。粒の状態を見極める。トレーの中をならす。そして、包んで、冷凍したまま届ける。
一つひとつは、釣り場からは見えにくい仕事かもしれません。それでも、皆さんがパックを開けた瞬間や、オキアミをハリに刺す瞬間に、その積み重ねはつながっています。
南極海で獲れた一尾が、遠い海を渡り、私たちの工場で釣り餌になる。第1話から続くオキアミの旅は、ここから皆さんの釣り場へ向かいます。
次の釣行で、ブロックを手に取ったとき。サシエを一尾、つまんだとき。その向こうにある工場の手仕事も、少し思い出していただけたらうれしく思います。
釣りエサのヒロキュー
本記事は、当社の加工現場を記録した写真・取材資料をもとに構成しています。掲載写真には撮影時期の異なるものが含まれ、工程や包装は商品によって異なります。


