サビキ釣り、みなさんはなにをターゲットにされていますか?
いえ、聞くまでもないですね。「アジ」でしょう。僕だってそうです。でもアジっていたら釣れますが、いないときは「マジかよって」ほど釣れません。
そんなとき、子どもとサビキ釣りに行っていたら、あなたはどうしますか?
今回はそんなときでも「満喫♪」できちゃうサビキ釣りスタイルをご紹介します。
理想はこうです。アジ鈴なり。でも自然相手の釣りですから毎回思い通りにはいきません
無理は無理! だったら?
我が家の次女、5歳くらいから釣りを始めて飽きることなく4年ほどが経ちました。いまやすっかり自分で仕掛けを投げたりやり取りしています。手がかからなくはなりましたが別問題が浮上。
「自分で釣りたい!」
この願望が強くなりました。たとえば、サビキに行ったとしましょう。アジが30m沖で釣れるとします。僕は届く飛距離ですが、娘はどうやっても届かないわけです。前はそんなとき僕が仕掛けを投げて娘が巻くということでカバーしていました。
「ヤダ! 自分で投げる!」
現在は助け舟を出そうとすると、このように蹴り返されるわけです。なのに僕が釣ると不満そうになる。ならどうすればいい? 彼女が釣れる範囲の魚を釣らせればいいわけです。
※1 沖にアジが群れてました。前は僕が投げて娘が釣るって連携ができたんですが、現在は拒否されます
※2 12号のマキエカゴを2号のナイロンラインで投げてます。釣具の扱いに慣れた僕でやっとの距離にアジがいるわけですから
※3 でも同じタックルだと体力的に娘には不可能なんですよね。近場狙いになっちゃう
スズメダイは裏切らない!
先日のこと。アジが食べたいなと思い、上関へ行くことにして前日準備をしていると、次女がやってきて「わたしも行く!」とのこと。これは想定内。でも知り合いの情報によると、仕掛けをけっこう飛ばさないと釣れないのだと正直に彼女へ伝えました。
「がんばる!」
そう言った次女でしたが、現実はむなしく、沖30m以上で釣れる状況。運よく群れも大きいみたいで僕は入れ食い♪ になりましたが、彼女はノーヒット。だんだんイライラが募ってくるのが分かります。でも助け舟は蹴り返されるわけです。
僕「おお、あれ、狙えばいいよ」
僕は足元にたくさんいるスズメダイを釣るように言いました。
スズメダイの群れ
てなわけで足元にウロウロするこやつらを釣っちゃおうというわけです
娘「え〜、あれってパパがいっつも逃がすやつじゃん!」
僕「それはパパがいつもアジを狙ってるからだよ。あれもおいしい魚なんだから」
娘「ほんとに〜?」
僕「ほんとに。釣ったら料理するよ。おれがアジでりのんはスズメダイ担当な」
娘「わかった!」
これが大事。次女は魚を食べるのも好きなので、結果的に自分で釣ったという事実とお土産があればいいわけです
逃がすものと教えてきましたからね……。そう簡単にはイメージは変えられえません
そしてスズメダイは裏切りません。アミエビに群がってきては次々とサビキバリに掛かってくるのです。しかしこれまで「逃がす」対象だったスズメダイを持って帰ることになにやら抵抗のある娘。
僕「いや、本当においしいから大丈夫! 釣って!」
こうしていいサイズのスズメダイを10匹キープして納竿。終わりごろには「やってやったぜ」と満足そうな次女。ちなみに僕は釣りに集中できたのでアジを30匹ほど釣ることに成功しました。これって大満足ってヤツではないでしょうか。
足元を探るときはとにかくロッドの穂先を下に向けておくこと。マイクロテンヤを操作しやすく、魚がヒットしたときにロッドを立てやすい。ラインも張りを持たせておくこと。緩め気味だとマイクロテンヤが穴に入って根掛かりする。マイクロテンヤで底を「小突く」という感触を確かめながら釣ろう。
でも狙った場所に投げて思ったように釣れるというのは本人にとってはうれしいもの。だんだん笑顔になってきました
足元狙いだから釣りやすいようでした。入れ食いでしたしね
釣ったあとも疑いのまなこを向けてくる娘。これはいっちょ、うまい料理にしてやろう!
スズメダイクッキング
アジはどうやったってうまいのは分かっていますので今回は割愛。最優先はスズメダイ。娘に釣れと言っておきながらスズメダイは初食なのです。さてどうやって食うか……。
「唐揚げだな」
逃げたなとか、それやったらなんでもそこそこイケるじゃん、とか言わないでください。娘も楽しみにしておるのです。失敗はできない。というわけでさっそく帰り道にスーパーに寄って唐揚げ粉を購入してきたのでした。
小さい包丁がおすすめです
いつも使っている出刃包丁だとちょっとスズメダイには大きいと思い、ペティナイフを使うことにしました。これがイケます。ウロコをはぎやすいし、切れ目も入れやすい。小アジをさばくのにもよさそうです。もっと早く試せばよかった……。
さばいてみて感じたのは骨が硬いということ。その話自体は昔から知っていたのですが、体験すると「こんなサイズでこんな硬いのか……」ということ。とくに中骨と背びれのトゲは相当なものです。腹骨もサイズを考えると硬いけど、油で揚げたら問題なかろうというレベル。というわけで、骨も一緒に揚げてみました。
娘に味を聞いて選びました。ガーリックを選ぶとは
※1 愛用の出刃ではなく、100円ショップで買ったペティナイフ。これがヒジョーに快適でした。小魚系にいいですよ
※2 腹骨がけっこう硬いんですよ。でも魚のサイズにしては、というレベルなので揚げたら問題なさそう
※3 廃棄するのは、頭と内臓。背ビレのトゲがちと気になりましたが、揚げたらなんとかなるだろうとひとまずそのまま
※4 一緒に料理しながらその日の釣りを振り返るわけです。これがまた楽しい
※5 さて骨はどうか?
※6 ちょっと手伝ってくれました
※7 ためしにアジも唐揚げに。これはウマイ!
※8 どうでしょう? 見た目はバッチリに仕上がりました
トゲはカットすべし!
頭と内臓だけ廃棄して、残りはすべて揚げてみました。見た目はフツーにうまそうです。さっそく娘と2人で食べてみました。
「あっ、うまーい!」
唐揚げ粉の味に負けない白身のホクホク感があります。これは本当にフツーに持って帰ってもいいレベルだ。では骨はというと……。
「いった! かった!」
中骨はパリパリ。でも背ビレのトゲは硬いまま。このままパクつくと大人でも歯グキに刺さります。これは事前にカットだな。
というわけでヒレはすべてカットでお願いします
娘「本当だ。パパの言う通りじゃん。なんでいままで逃がしていたの?」
僕「ぱ、パパは、アジが好きだからな。次も頼むよ!」
というわけで今回も釣りを楽しんでもらえた。後日、スズメダイは夏場に脂が乗ってうまいしサイズのよいのも釣れると聞いたので、時期が来たら狙ってみたいと思う。ひとまず、サビキ釣りはアジ以外も楽しめますよ~。
背ビレのトゲはパリパリにはなるんですが、硬いので油断すると歯グキに刺さります。カットしておきましょう
「また行こう」って言ってくれました。いつまでついてきてくれますやら