釣りファン 2016年10月号「 長崎県五島市「黒母瀬のマナイタ」「赤島のハナレ」 秋磯はスマートに釣る浅ダナ浮かせ必釣術」

待ちに待ったクロ釣りシーズン到来。秋雨前線と相次ぐ台風によって確実に季節が変わっていく。真夏は磯釣りを休んでいた釣り師達もそろそろ釣り具の点検準備に追われているころだろう。さて、秋一発目の磯釣りで、まさかボウズはご勘弁と言いたいところだろうが、まだまだ海水温は高くエサ盗りも多い。ここで今の季節にピッタリのブレンド材がヒロキューから発売される。その名もグレゼロ。釣り人は柴原啓二さんと原隆彦さん。一足先に長崎県五島の磯で新商品の実力をとことん試してみた

グレゼロとは?

長崎県平戸市西浜より出港のはまりょう丸は五島へ向けて出発。まずは「黒母瀬のマナイタ」で実釣開始だ。ここでヒロキュー/グレゼロについて簡単に説明しておこう。まずツケエとマキエを同調させるためには、オキアミとブレンド材の比重を同じにすることが大切。

グレゼロは、第一に沈下速度をオキアミに合わせているため、特に手の込んだことをせずとも、水分量を守って作ればツケエに完全同調できるように調合されている。第二に拡散性に優れている点だ。吸水性が高いため海水とのなじみが早い。原さん曰く「完全なる同調を目指して試行錯誤したブレンド材です。たとえば潮に吸い込まれるような場合にも潮に乗っていくので仕掛けとの同調時間がより長くなりました」グレゼロというネーミングはツケエとマキエの同調というクロ釣りの永遠のテーマに『支障のあるものは何もない』ということのようだ。

さて、マキエの基本的な作り方はオキアミ1角に対してグレゼロ1袋。グレゼロは3kgありオキアミ1角と混ぜるだけでボリューム感がある。ブレンド材の袋には目安となる水分量が表示されているので、水汲みバケツで汲んだ海水を袋に入れて計量してからバッカンに入れると、袋の中に残ったブレンド材が余すことなく使えて経済的だ。では名手達の釣りを見ることにしよう。

※1 ヒロキュー/グレゼロ。うま味成分と海苔でクロの食い気を誘う。3kg入りでマキエが膨らむので経済的でもある。10月下旬より発売開始予定。グレゼロとオキアミ1角が基本分量。水分調整は狙いのポイントによって変える。吸水性は高い。効果は記事を読むべし。

※2 ツケエは、ヒロキュー/生イキくんM・生イキくん半ボイル・アミ漬むきみを用意。柴原さんはアミ漬けむきみとボイルをよく使っていた

出た! 良型尾長

ここマナイタは、朝一に尾長の急襲に備えなければならない場所だ。やや太い仕掛けで挑みたいところだったが、当日は潮目が理想通りの姿を見せないので本流釣りを見切り、際釣りに変更した。原さんの釣り座はワレ。足元の払い出しと引かれ潮とがぶつかるところへマキエを打ち込み様子を見る。エサ盗りは手のひらサイズのイスズミが足元にパラパラ見える程度だ。だが徐々に集魚効果が見えてきた。沖目の宙層に青物の群れが見え隠れしている。ロングハリスにしてその中にウキを通す。仕掛けを手直しして1投目に竿を曲げたのは尾長だ。本命ながらも型が小さい。

アレンジ次第で無限の可能性

状況に臨機応変に対応するグレゼロ

※1 原さん監修のモタエ。自重16gにこだわった。キワ・潮目・本流に強い。

【赤島のハナレでのマキエ<本流・遠投・宙層仕様>】

※1 原グレゼロとアドバンスグレ1/3を混ぜ込み、ボイルも使う。やはり狙いは尾長なのだ。

※2 赤島のハナレでは、本流釣りや潮目に引かれる潮を狙った。遠投や宙層を狙うときはヒロキュー/アドバンスグレが必需品だ

※3 ヒロキュー/ボイルグレ用M。遠投で狙う原さんのツケエはコレが多かった。